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公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失

良著を紹介したい。
『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』 角川書店 2010年 1260円である。
値段の割にそれなりの内容。少なくとも1000円のあのパンフレットよりはマシ(苦笑)。その金でこっち買うべき。
紙の質が微妙だけどそれ以外はほぼ完璧な本。

公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失
(2010/02/26)
ニュータイプ編集部

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最初はストーリーガイド。かなり丁寧。これさえ読めば映画を見なくてもいいぐらい。いや、まぁ見た方がいいけどw
原作と照らし合わせながら読むとなかなか面白い。作品への理解が深まる。
アニメーションとしての見どころ(3Dなど)が分かるし、様々な心理描写について補足説明されている。
各登場人物の心情の変化を相当考えながら、つくられた映画であるということが、うかがえる。
登場人物とページ下段の消失の記憶を読めば、本作の世界観を理解できる。


つづいてスタッフや声優へのインタビュー。ここが秀逸。

特に原作:谷川、総監督:石原、脚本:志茂、監督:武本、演出:高雄らによる座談会が面白い。

「キョンは、ようやく『消失』で主人公になる決意をする」
「脚本段階でカットしたシーンがあった」
「原作で登場しないクラスメイトまで細かく設定しているから描くの大変」
「雪が降る中に有希」
「あのエピローグは『消失』の事件後、現在の長門」
「『消失』はラブストーリー」
「『消失』はキョンの決心と回帰、再認識」
「男女で見方が違う(特に長門に対する)」
「1番のツンデレは、ハルヒじゃなくてキョン」
「長門の進化の可能性は人間になること≒死を獲得すること」
「ラストの長門は女的にはひどい」

など。これらの言葉にピンときた人は今すぐ買いましょう。


最後は設定資料集など。141ページを読めば聖地巡礼できる。


いい本です。★★★★★です。
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涼宮ハルヒの意義

涼宮ハルヒシリーズがここまで売れた理由

①京アニの美少女ものとしての売り込み方が巧みであり、インパクト十分であった

②その割に、原作が単なる萌え系に留まることのない内容で、一定の主張を兼ね備えていた

③youtubeなどの動画投稿サイトでアニメを見る慣習が2006年頃から本格的に
 →サブカルチャーが多少理解されるように→上記②が時代の流れ(≒思想)と合致


特に②について。

本作の主張をひと言で表現するなら、「メーテルリンクの幸せの青い鳥」であろう(これは原作『憂鬱』内で登場)。
「なかなか見つからない!」と必死に探し続けていた幸せが、意外と身近な場所にあった、というアレ。
要するに、ハルヒが探し続けていた面白いことの延長上には、
ハルヒの(彼女が既に前に会っていた)キョンへの好意があった、というわけである。
それをSF要素でエンターテインしながらさりげなく言及するというのが、作者の大まかな構想であろう。
これを見落として単に「ハルヒってドキュンな女だな」と思った人は、猛省して曇りのない目で原作を把握し直しましょう。
「ハルヒの傍若無人な振舞いから、作者は彼女のメランコリーな精神状態を示唆したいのだろう」ぐらいは読み抜きましょう(^ω^)

1巻『憂鬱』で特筆すべき点は、「普通」という言葉が多用されていること。
キョンは「普通」でなくなることを畏怖し、ハルヒは「普通」になることを畏怖している。
この2人の観点は正反対ではあるが、どちらも人間の価値観を忠実に捉えているといえる。
人間は多くの場合、完全に浮いてしまう(仲間外れにされてしまう)ことも、
アイデンティティ(自分らしさ)を失ってしまうことも、両方避けたい生き物だからである(特に若者に顕著な傾向)。
そういう意味で、この話は普通の中で特別を正当に勝ち得るまでの話と言ってもいい。
キョンがハルヒに「俺はいつも(普通)のお前が充分特別なんだ」といえば話が終わる
キョンがハルヒの心の錠を開く「」を握っているわけである。
それが開けばそれだけで話は終わる。
普通(日常)の中で特別(幸せ)を見つけられるのだから。元々、似てないようで似ている2人なのだから。

映画にもなった『消失』も基本は同じだと思う。
「あれは長門の消失だ」という主張が飛び交っているようだが、それは尺としての観点であり、
何度も見返してみると、やはりキョンのハルヒの消失による喪失感が根底を貫いている。
改変後2日目の夜、キョンが「なんてこった、俺はハルヒに会いたかった」とぼやくシーンがそれを如実に示している。
実は元の世界がよかったと再認識し、自己決断する――この姿勢は本作普遍のテーマである。



追記:
キョンはモテると思う。
アニメ版憂鬱1話の「曜日で髪型変えるのは宇宙人対策か?」は地味に神がかった発言。

そもそも人の髪型に規則性を見出す時点で変人である。
フランクに言うと、こいつ彼女のこと、かなりガン見してんじゃねーの(^ワ^;)

また、相手(ハルヒ)の興味に関心を持ちつつ話しかけているという点も見逃せない。
えてして人間は自分が聞きたいことを自分の都合だけで聞いてしまうものだが、この発言は相手への一定の配慮がある。
相手の欲するものと自分が欲するものをうまく交換しよう(要するに会話しよう)と思っている。
一方通行ではない話しかけ方ができる男なのである。
こうした発言は自分の経験上、簡単にはできない。相当の読み、鋭い直感、経験を要する。
思うに今迄ハルヒに話しかけていた男は皆、自分が言いたいことだけを言っていて、
ハルヒの興味に関心を持つことはなかったんだろうね。

全国の漢ども、これは反省会せなあかん。分かり合うってことについて。
プロフィール

赤目無冠(あかめむかん)

Author:赤目無冠(あかめむかん)
アニメ・漫画、将棋・麻雀、音楽(ベース、作曲、DTM)、ギャンブル(競馬・競艇)、適当英語、思想など内容は多岐に渡る。
みなみけのHPhttp://2nd.geocities.jp/tkya42/index.htmlもよろしく。
気軽にコメントしてね。
好きな将棋棋士は森内、広瀬。
邦楽はスピッツ。

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